先端恐怖症で人生が変わった話

自分が尖ったものが怖いと気づいたのは、34歳の時だった。

いま40歳だから6年前である。だいぶ遅くに気づいたことになる。

きっかけは会社の給湯室のフォークだった。ずっと尖った部分がこっちを向いている。コップを洗っていても、そっちが気になって仕方ない。そのときは「嫌だな」という感情しかなかったので、さり気なくフォームの向きを変えて、尖りがこっちを向かないようにした。

また、打ち合わせでペンの先をこちらに向ける人に出くわすと、そのペンが気になって打ち合わせに集中できなくなることにも気づいた。

ある時ふと「あ、先端恐怖症なんだ」と気づいた。

最初は34歳で発症したのかなと思ったけど、そうでもないかもしれないと気づいた。

そして、そこから長年疑問だった謎が一気に解けていった。それは中学校時代に僕と仲が良かった女の子の話だ。

尖っているものは全部こわい

彼女と同じクラスだったのは、中学校1年の1学期だけだった。でも、その後彼女は3年間ずっと僕に思いを寄せ続けていた。それは学年中が知っている周知の話であり、卒業の後に告白されたが、断ってしまった。明確な理由は無かった。なんか無理という返事だった。

でも、実際のところは気が合う人であり、問題ないといえばなかったはずだ。その後もずっと「何がダメだったのだろう」という思いを抱き続けてきた。

そして、その答えは先端恐怖症にあった。

その女の子は、あごとか鼻とか尖ったタイプの人だった。カイジとまではいわないが、全体的に尖りが多い子だった。それが怖かったのだ。彼女は20歳ぐらいで、地元のバイト先で結婚式をあげたと聞いた。僕が先端恐怖症でなければ、その相手は僕だったのかもしれないのだ。

そんな話を40歳の同窓会で、彼女が来なかったから彼女の親友だった女の子に話した。

話を聞いた彼女は「チョー受けるんだけど」と楽しそうに笑っていた。

そっか、そうなんだと僕は思った。受ける話なんだこれは。確かに先端恐怖症でハサミの先が怖い人はいるが、尖った女の子が嫌いなんて聞いたことがない。

聞いたことがないから、ここに書いてみた。

もしかしたら、僕みたいに気づいていない人がいるかもしれない。先端恐怖症は女性の好みにも影響するのだ。

そんな私の最近のお気に入りは、AirPodのケースをポケットの中で撫でることである。

かわいいは正義という言葉をよく聞くが、僕にとっては「丸いのは正義」だと思う。

 

 

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