おじさんのシットコム「デザイナー渋井直人の休日」の魅力を語る

光石研初主演のドラマ、テレビ東京の「デザイナー渋井直人の休日」が面白い。

物語の構成はそれほど複雑ではない。序盤はデザイナーの渋井さんがイケてる感じを出すけど、結局かっこつけて、失敗するという流れである。

例えば、デザイナーらしいおしゃれなインスタを更新していたら、上京するフォロワーの女の子から連絡が来て会うことになった。張り切って予約したけど、店を間違えてウロウロして、女の子が帰っちゃうとか、そういう話だ。

急展開もなく、全体的にゆったりしている。なにこれ、といってはそれまでだが、それでも、なんだか見てしまう。

話はたいしたことないのに、なぜか見れちゃう、この雰囲気ってなんか記憶にあると思ったら、バイプレーヤーズだった。

そう思って脚本家を見たら、ふじきみつ彦さんの名前が。やっぱりバイプレーヤーズの脚本家だ。

ふじきみつ彦さんはバイプレーヤーズの脚本についてあるインタビューで「おじさんがわちゃわちゃしていれば良いと気づいた」と語っていたが、その発言の裏にあるのはストーリーを軽くみるのではなく、シチュエーションコメディ(シットコム)のように登場人物が困る状況を作り出して、登場人物がそれに対してどう反応するのかを見る作品ということなのだろう。

少し話は逸れるがシットコムのルールというのが面白いのでついでに紹介する。
・登場人物、舞台がほぼ固定されている
・登場人物は成長しない
・たまにゲストが来る

というもので、この成長しない、というのが肝で、視聴者は経験値が溜まるから、「また同じ失敗してる!」と思うけど、登場人物は成長しないので、同じ失敗を繰り返す、やがてそれがマンネリとなり、そこを超えると偉大なるマンネリとして定着していく。そう考えると、サザエさんはシットコムであり、三谷幸喜が脚本を書いたというのも、流れとして合っているといえる(タラちゃんが筋肉増強剤を飲むという脚本を書いて、すぐにおろされたが)。

あと、ふじきみつ彦さんで、もう一つ面白いのは、このふじきみつ彦さんが朝の子ども向け番組「いすのまちのコッシ―」が有名な「みいつけた」の脚本を担当しているというのも気になるところだ。

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おじさんは若い女子の前だとがんばる

さて、シットコムという視点で見て、おじさんが面白い状況というのは、若い女の子の前だろう。ちょっとした一言に勘違いして精一杯頑張るおじさん。

そこには、かわいさと哀愁が入り混じった、他の属性では表現できない独特の世界がある。

何よりステキなのは、光石さんの表情だ。笑顔だけじゃない、褒められたり、失敗したり、その時々に最高の表情を見せてくれる。その過剰ではない自然な芝居は、光石さんのキャリアの集大成といってもいいのではないか。それぐらいすごい。

最新話では、杉本哲太が登場し、自らを猫と呼ぶ女の子にドはまりしている様子に爆笑してしまったが、次回はベンガルが登場するなど、おじさん同士の絡みも増えてきた。

バイプレーヤーズの流れを汲む本作が外れなはずはなく、大当たりだった。

そして、もう一つ特筆すべきは、その音楽だろう。オープニング曲は、カクバリズムの思い出野郎Aチームがこの番組のために作った「ステップ」、そして、エンディングテーマは死ぬほどおしゃれなNulbarich(ナルバリッチ)の「Sweet and Sour」が使われている。

この名曲はアマゾンプライムミュージック

にも入っていたので、もうヘビロテである。ずっと聞いている。

番組は終わってしまったが、シリーズにして孤独のグルメのようにずっと続けばいいのにと思う。

そのうちにアマゾンプライムとかで配信されるのだろうか、とりあえず見逃した方はぜひブルーレイで買えるみたいので見てみてはいかがだろうか。

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