きなこなん式

復活する時効警察の過去作品はいま見ても面白いので見どころを紹介する

2019年10月からテレビドラマ「時効警察」が12年ぶりに復活する。

ぼくはこのドラマが大好きなので、この機会にぜひ過去作品を見返してみませんか、という話なのだが、せっかくなので今から見返す時に、ぜひここに注目してほしい、という5つのポイントをお伝えしたいと思う。

楽しそうな職場ドラマはここから

楽しそうな職場ドラマといえば、オダギリジョーの出ていた「重版出来」とか、「アンナチュラル」「空飛ぶ広報室」など野木亜紀子作品に多いが、もっとも楽しそうなのは、時効警察の時効管理課だろう。

頼りないけど、趣味で時効事件を調べているちょっと変わった霧山(オダギリジョー)と、一緒に捜査をする三日月くん(麻生久美子)。この二人がいれば、もう時効警察である。

二人の関係は、霧山に片思いをする三日月くんと、それに気づかない霧山という、「美味しんぼ」の山岡と栗田さんパターン。これが一番視聴者を引っ張れる。美味しんぼなんて山岡が栗田さんの片思いに気付くのは、60巻ぐらいである。

そして、同警察署には、キョンキョンのお相手である豊原功補、名バイプレーヤーの光石研さん、そして、女名バイプレイヤーとして注目株の江口のりこさんが揃っている。さらに三木さんの奥さんのふせえり、そして元お笑い芸人の緋田康人。この二人は、ビシバシステムというお笑いグループの旧メンバーと新メンバー。全体をまとめる上司が岩松了という不思議な味のあるおじさん。これが同じ職場にいるのである。

ただ、席に座っておしゃべりしているだけでも面白い、すごいメンバーである。

そして、彼らはたまに「いま流行っているテレビ」のモノマネを職場でやりまくる。見ている我々もついつい真似してプクーちゃんというキャラの真似をして「プクー!」と言ったりしてしまうのだ。

楽しそうな職場にどっぷりと浸かり、登場人物のキャラクターを楽しむ、それが時効警察の醍醐味だろう。

脚本・監督を誰かを当てながら見る

時効警察の魅力は、脚本・監督にケラリーノ・サンドロヴィッチ、園子温、三木聡というかなりクセが強いメンバーが揃っている点にある。

三木さんは「亀は意外と速く泳ぐ」「インスタント沼」などで知られる映画監督でもあり、さらに「ダウンタウンのごっつええ感じ」の放送作家の経験もあることもあり、変な世界観を作り上げるのが上手い人。「ごっつええ感じ」の頃の松本人志のコントの特徴は「フォーマットはみんなが知っているものなのに1個だけおかしい」というのがある。

一番わかりやすいのは、料理研究家のキャシィ塚本のコントで、料理番組というフォーマットに沿っているけど、先生が異常、という構造になっている。

三木監督もそれに少し近くて、全体的に普通なようで出演者の笑い方がおかしかったりと普通のようで、ちょっと変なポイントが細かく入ってくる。

ケラリーノサンドロヴィッチ作品は、もうトリックなんてどうでもよくて、奇妙な変な物語に仕上げて、その作品の魅力にやられてしまう。多め亭(なんでも多めに出てくる定食屋)とか、早め亭(なんでも早めに出てくる定食屋)など、魅力的な設定がどんどん出てくるけど、振り返ってみるとトリックと呼べるのか?という内容の時は、ケラ作品。

園子温監督作品は、振り返ってみると、名作というか、泣ける作品、情緒的な作品が多いと思う。好きになった人が実は犯人とか、そういうベタだけど、良い作品が多い。

という感じで、全体のトーンは、三木監督が決めたけど、そのあと、みんな自由にやっている感じがすごく良い。

ちなみに復活する時効警察では、「勇者ヨシヒコ」の福田雄一監督も参加するので、非常に楽しみだ。

意外といま有名になった人が出ている

時効警察は2006年。続編の帰ってきた時効警察は2007年の放送されている。今から12年前のドラマだ。当時は気付いてなかったが、今見ると、「え!この人が出てるの?」という人が意外といる。そこで僕の方で気になった5名(5組)を紹介しよう。

1、満島ひかり(帰ってきた時効警察第3話)

事件の最初に殺される助手役として出演している。この回は園子温監督の回であり、2007年に園子温の映画「エクステ」に満島ひかりが出ているので、その関係でキャスティングされたのだろう。すぐ死ぬ役なので、ほとんど演技らしい演技はしていない。

2、吉高由里子(時効警察第6話)

こちらは犯人の娘役として出演している。こちらも園子温監督の回であり、彼女は2006年に園子温の映画「紀子の食卓」でデビューしているので、その関係でキャスティングされたのだろう。満島ひかりよりも、かなり演技をしている。

3、緒川たまきと田中哲司(時効警察第3話)

のちに付き合っていたという噂のあった二人が夫婦役で共演している。このドラマがきっかけなのだろうか。緒川たまきファンとして、必見でありつつ、気になる回。

4、宇佐美蘭(帰ってきた時効警察第7話)

サッカーガンバ大阪の宇佐美の奥さん、宇佐美蘭が旅館の娘役で出演している。ぼくは宇佐美ファンなので、嫁さんのインスタもフォローしており、この回を見ると、おぉ、嫁さん演技している、となる。

5、真木ようこ(時効警察第8話)

森の中で殺害された女子高生役で出ている。当然、今より若いころだが、今の方がキレイだと思う。

小ネタを楽しむ

この作品はとにかく小ネタが多い。

番組の最後に流れる「このドラマはフィクションであり、登場人物、団体名等は全て架空のものです」の前に、「二人でするのはつれションですが」とか「忌野清志郎は元RCサクセションですが」など、ちょっとダジャレが入っていたり、あるいはピーポ君的なキャラクターのそーぶくんが背景にいたり、変な張り紙が壁中に貼られていたり、黒板に書いてある「正」の字が実は叩かれた回数だったりと、「全力でふざけてる」感じがたまらない。

時効警察は画面全体を隅々まで楽しむのがポイントだ。

麻生久美子を堪能する

麻生久美子の魅力は、たくさんあるが、この作品では、特に豊かな表情が挙げられると思う。特にちょっと怒った表情は本当に素晴らしい。

個人的に、女優は良い年齢の時に、良い作品に出合えるか、そして、出合えた人は貴重であり、幸せなことだと思っている。

そういう意味で、この作品の麻生久美子は、文句なく女性としてのピークと、良い作品との出合いをはたしていると思う。

彼女自身、転機になったのは「時効警察」だと語っている。

もう全部がキラキラ輝くような、素晴らしい演技をしている。もちろん、オダギリジョーも良いのだけど、男のピークがもう少し後だと考えると、やはり本作で見るべきは麻生久美子だろう。

ということで、時効警察の魅力を書いてみた。

いまなら全部「 アマゾンプライムビデオ

」で見れるので、ぜひ一気見して、復活する時効警察に備えてみてはいかがだろうか。