「北の国から」が嫌いだった。なんか青臭い感じだし、泣いてください、という演出が鼻についた。でも、子どもができてから見たら面白かった。昔は子ども目線で見ていたが、実は「北の国から」は、父親のためのドラマだったのだ。
例えば富良野という舞台。北海道の大自然、はいはい、富良野ね、と思うが、あれは富良野ありきではない。嫁が浮気して、子ども連れて帰った実家が「富良野」だったのだ。
あなたの実家が仙台なら仙台になるし、鹿児島なら鹿児島になる、そう、あのドラマはシングルファザーが故郷に移住して子どもを育てる物語なのだ。
つまり、父親になったあなたこそが、このドラマのターゲットなのである。
父親目線で見た「北の国から」のポイント
1、嫁が浮気をする、どうする?
2、スナックでかわいい女の子と出会った
3、息子がエロ本を読む
4、子どもが食事中なのに店員が料理を下げようとする
5、息子が結婚前に子どもができて向こうの親に謝罪にいく
6、やっと就職した娘が不倫をする
ちょっと項目を出しただけで、なかなかヘビーなのが分かると思う。
1、嫁が浮気をする
もうこの時点で、なかなかである。しかも、娘と一緒に家に帰った時に浮気の現場を見てしまうのである。あなたならどうする? となる展開だ。ちなみに主人公の五郎は子どもを連れて、故郷に帰った。
そして、富良野での暮らしが始まるのである。
2、スナックでかわいい女の子と出会った
嫁がいない。そんな時に飲み屋で女の子と出会う。浮かれる五郎は、子どもに会わせたりする。淡い恋。でも、彼女が好きな作家「開高健」の本が、地元の本屋でよく売れている、という情報を耳にする。
自分は特別な存在だと思っていたら、どうやら彼女は複数の人と関係しているらしい。。
つらい、つらいなぁ。こうしてシングルファザーの恋は終わりを告げるのである。
3、息子がエロ本を読む
これは今ならエロ動画だろうか。父親になったあなたに突き付けられる、「俺の子だなぁ」という光景。さぁ、あなたならどうする? ちなみに五郎は「おしべとめしべ」の話をして、エロ本は燃やしました。
4、子どもが食事中なのに店員が料理を下げようとする
これは「あるある」ではない。だが、店員のせいで子どもが不愉快な思いをすることはあるかもしれない。その時、あなたは適切な言葉がいえるのか。なお、五郎さんはぶち切れて店員を退散させました。
5、息子が結婚前に子どもができて向こうの親に謝罪にいく
こちらも起こりうる未来である。父親としてどうするのか?五郎の決断は「謝っちゃおう」だった。そしてかぼちゃを手に向こうの家にいく。あなたならどうする? 娘がいるなら向こうの父親の気持ちも分かるだろう。いまは亡き菅原文太とのヒリヒリした場面である。
6、やっと就職した娘が不倫をする
ぼくはフジテレビオンデマンドで一気見したのだが、その時に驚いたのが、こないだまでランドセルを背負っていた蛍が、いきなり不倫をしている、という場面だった。
この事実に対して、五郎は、新巻鮭をもって不倫相手にご挨拶にいく。
この手土産のチョイスが合っているかはわからないが、おしゃれなお菓子もまた正解ではないだろう。父親に助けを求めた娘に対して、新巻鮭をもって笑顔で迎えにいく父親は一言も叱らない。子どもへの愛を感じさせる場面だ。
「北の国から」は新米パパにぴったりのドラマだった
この他にも幼なじみに子どもを押しつけられる。息子の彼女が元AV女優など、色々な展開が待ち受けている。
パパになったばかりの人には、なかなかヘビーな試験問題の連続である。
なかでも、僕が父親になってから見てグッと来た場面が
「父さん、昔はもっとすごかったじゃん、自分でなんでもやってさ!」
という息子の呼び掛けに対する
「父さん、クタクタだよ!」の返しである。
言っちゃいけない一言。でも、つい出ちゃった本音。僕だって言いたい、クタクタだよと。
父親ってなんだろう、子どもをどう育てよう、と考えてしまう、新米パパにぜひ見て欲しいドラマである。辛い場面ばかりではない、笑顔と涙と、動物と自然が満載なドラマである。
しかも、昔なら1年に1回だったが、いまなら【フジテレビオンデマンド】