リニューアルして新しくなった上野の国立科学博物館に子どもと行ってきた。
素晴らしい施設だった。見せ方も斬新。わくわくがいっぱいだ。
そんな中で気になる展示物があった。
それは人間の進化の過程を段階的に見せるもので、その最初にいたのが「ルーシー」だった。
発見当時、ビートルズの「ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイヤモンド」が流行っていて、発掘隊たちが発見した夜のパーティーの時に一晩中その曲が流れていたことから、その最初の人類の名前はルーシーになったという。
そんな現代的な名前とは裏腹に猿っぽい小柄な人がそこにいた。
ルーシーの股の間を見る。そこはさすがに公共の博物館。絶妙なライティングになっており、はっきりとは見えない。さらに果たして生えているのか、どうかも分からない。
僕はそれが男なのか、女なのかが気になってルーシーの茂みを見ていた。
最初の人類はどうやって増えたのだろう
ルーシーは二足歩行の特徴が骨格に示された、かなり最初の方の人類だ(現在は最初の人類は「ルーシー」説は唯一ものではなくなっている。)。
考古学の知識が無いので分からないのが、人間は猿から進化したのか、あるいは突然変異で変わったのか。最新の定説はどうなっているのだろう。
いずれにしても、空から降ってきたわけじゃなければ、猿的な何かが生んだのだろう(鳥が人間を生むことはないだろうから)。
それは一体どうやって増えるのだろうか。
さらにいえば、これは、もしも自分が最初の人類で「このまま私が死ねば、人類が滅びる」となった時、どうやって増やそうと考えるのか、という話だ。
なかなかの究極の選択だ。同じ人間はいないのだ。なんせ最初の人類だから。
やっぱり人間と似た感じである、猿と交配したのだろうか。
いくら最初の人類とはいえ、猿と会話なんてできないから、性欲が高まった時に猿を捕まえて交配して、子ども生まれて、それを10人ぐらい産んだら、猿90%、人間10%のやつとか、猿60%、人間40%のやつが出てきて、そのうちの人間率の高い奴が生き残って、増えていったのか。
そこで、もしもルーシーが女だとすると、じゃあ、猿を捕まえて交配したのかという話になる。猿は果たして最初の人類を性欲の対象だと思うのか、ルーシーがその気でも、猿の気持ちだってある。それはどうしたのか、という疑問が残る。
安岡力也が山羊に入れた話は聞いたことはあるが、それよりももっと興味深い話だ。
最初の人類はどうやって増えてのだろうか――。
僕はルーシーの茂みを見ながら、そんなことを考えていた。