
ある日、オフィスを出たらピエール瀧が歩いていた。さすが南青山。
目の前で見るピエール瀧は、なんだか渋くてかっこ良かった。
そして、もうかっこいい!なんて言っちゃいけない状況になったので、ダメ絶対と言いながら麻薬の話題が飛び交う今だからこそ、麻薬の恐怖を知る意味でも、ドラッグ絡みの作品を紹介したい。
ちょっとでも興味を持った人はこれを見て「やっぱりやばいな、クスリって」って思っていただければと思う。その一方で、麻薬がらみの映画ってのはやっぱりスリリングで面白い。そこはエンターテインメインとして楽しんでいただければ。
最高の名作映画「スカーフェイス」
ヒップホップ好きなら、みんな大好き、スカーフェイス。全編のうち半分以上は、鼻の下に白い粉がついている、そんな映画。
キューバからアメリカにやってきた若者トニモンタナ(アルパチーノ)は麻薬の取引で、色々なものを手に入れてく。金、女、車。キラキラした生活は彼に何をもたらすのか。
物語というよりもその絵の力がすごい。札束数えるシーンとか。これを見ると、ああ、なるほどアメリカのラッパーはこうなりたいのね、というのがよく分かる。
とにかく破滅衝動というか、めちゃくちゃな映画が見たい時におすすめ。
劇中に「F☆ck」が異常に多いので、それをカウントした動画もある。
ダイジェストみたいな感じで見ても面白い。
https://youtu.be/uNpCDb_4m6w
本作はアマゾンプライムビデオ
ブレイキングバッド

海外ドラマの名作の一つ。余命わずかな科学の先生が家族のために麻薬を製造する話。
「ああ、おれは死ぬ、金を残さないと、手っ取り早く稼ぐには麻薬だ」というスタート地点は多少は共感できるが、とうぜん家族にはウソをつくことになり、ウソを重ねた結果、次第に人生の歯車が狂っていく。
いつまで続くんだろうという麻薬製造の日々。おじさんの話が次第に大河ドラマのように壮大な世界へとつながっていく。
海外ドラマで麻薬と言えば、まず上がる作品。朝まで一気見というタイプではなく、腰をすえてじっくり見るものだ。
僕はHuluで見たけど、いまは配信が終わって、U-NEXTで配信中。無料期間が31日もあるので、無料期間中に十分見終わると思う。

韓国版ピカレスク作品「麻薬王」

ネトフリの映画に「麻薬王」がアップされていた。オリジナル作品ということで、ネトフリにしかない。
主演はソンガンホ。個人的には「殺人の追憶」の刑事役や「グエムル」の兄貴役の印象から、冴えない感じのイメージが強いが、韓国映画界にとっては超大物、顔がでかくて演技が上手い。ネトフリの作品で主役を任されるのも当然の存在。
ちなみに顔がでかいのは、役者の世界では誉め言葉。顔がキャンバスだとすれば大きい方が表情が映える。
本作は日本が戦時中に「ヒロポン」を売っていた時代から始まり、戦争終結後に、韓国で製造した麻薬を日本で売りさばいてお金持ちになった男の話。
麻薬を楽しそうにつくる感じは「ブレイキングバッド」のようであり、のし上がっていく様は「スカーフェイス」のような展開。
だが、そこは韓国、アジアである。かっこいいようで、ちょっと泥臭いというか、洗練しきれない感じが、逆に魅力に感じる。
特に日本の山口組らしき組織との交渉は、セリフとして覚えた日本語であり、なかなかの違和感。でも、その辺りは作品の完成度よりも好奇心の目で見れば「ああ、韓国人はこういう風にやくざをイメージしているんだな」となって楽しめる。
やがて、夫婦関係が破綻し、売るはずのものに手を出した時点で男の運命は決まっていた。
いつだって麻薬の行き着く先は破滅である。でも退廃美というか、壊れていく様が美しい、それこそが麻薬がらみで名作と呼ばれる作品の共通点であろう。
とりあえず、未見の人はスカーフェイスを見よう。間違えない名作。歴史に残る映画だ。
そして、見終わったら、ECDの「トニモンタナ」をセットで聞いてみるのがおすすめだ。
金、車、女、ヒップホップ!
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