オープンハウスで世田谷区に新築戸建てを買ったのでそのビジネスモデルをまとめてみた

都心に家を持つ、というコンセプトのオープンハウス。CMなどもやっているので、見たことがある人も多いだろう。

我が家は2019年2月にここで家を買ったので、その軌跡を書いてみようと思う。

家を建てたのは初めてだが、オープンハウスは急成長している企業だけあって、独特なビジネスモデルだったので、それも合わせて紹介できればと思う。

都心で家を持つの裏側

二子玉川駅徒歩10分という、世間的に一等地と呼ばれる場所に家を持つことができたのは、端的に言えば「狭い」からだ。

オープンハウスの手法はその意味ではっきりしている。例えば以下のような感じだ。

1、土地の価値が1.5億の家主が亡くなり、相続で売りに出る。
2、その土地を購入して、3つに分割
3、1つ5000万で3人に売る

1.5億を出せる人間は限られているが、5000万なら買える人間はいる。マグロ一匹はいらないけど、切り身なら欲しいみたいな感じだ。

もう一つの手法は、宣伝前に売る、という方法だ。

不動産の特徴のひとつがその広告の多さだ。電車の中吊りから、ポストに無作為に入っているチラシなど、やたらと宣伝費を使っている。ある時期に売り切らなくてはいけないので、仕方ないとはいえ、お金をかけすぎである。

そのため、たいていの物件は宣伝費を上乗せした価格設定になっている。

一方でオープンハウスの場合は

  • 社員が駅前で物件と値段を書いた看板を持って立っている
  • 近寄ってきた人に店舗を案内して、その物件の説明をした後に、自社の持っている物件を伝える
  • 宣伝前の物件を見せて成約までもっていく
  • 余計な宣伝費がかかってないので相場より安くできる

という手法をとっている。全部終わるまでに何度も店舗に通うが、別のテーブルで、「その物件もいいですが、もう少し予算を出せばこちらの物件もありますよ。ローンはお二人の年収なら――」というセールストークを何度も聞いたので、たぶんそれが必勝パターンなのだろう。

この必勝パターンは、不動産屋的には買った物件が早くさばけるし、買う側も安く買えるので良い手法だと思う。

ということで、

  • 土地を分けて売る
  • 宣伝費をかけずに売る(CMはやっているが一つひとつの物件の宣伝費という意味)


の2つが彼らのビジネスモデルなんだと思う。

続いて物件を見てからの流れを紹介しよう。

果たしてローンは組めるのか

我が家もその流れで、別の物件を見せてもらった。

すると「マジで、ここが空いたのか!」って場所を紹介された。我々家族が公園に行くときにいつも通る道で、雰囲気が良く好きな場所だった。

問題はローンである。想定額よりも高い。そこで登場するのが営業マンからバトンタッチされた、ローンの専門家である。

その人は夫婦の年収を聞き、パタパタ電卓をたたくと、「はい、借りれます、なんならもっと借りれます」という。

基本的にローンは年収の5倍と言われている。年収800万なら4000万となる。

だが、世田谷区や目黒区などは違う、という。年収の7~8倍ぐらいまで行けるという。

なぜそこまでいけるのか、それは価値がほぼ土地代だからだ。

800万×8倍の6400万を貸したとする。その場合に土地代は5000万だとする。立地が良いため、その価値は急激には下がらない。

いざとなれば、上を壊して更地にすれば、5000万の価値は変わらない。

その結果、このエリアは借りれる枠が変わるのだという。

そして、もう一つ、オープンハウスは夫婦でローンを組むことに慣れている点が挙げられる。

これまで東急○○とかも当たっていたが、ローンの上限の話や夫婦でのローンの話などは一切なく、こちらが見たい物件を見せてくれるだけだった。

その点こちらはローンの専門家がおり、CMでも「二人で返せばいいのに」とペアローン推しなだけあって、ノウハウも蓄積されているのだ。

ブラックリストという過去があり、、

ローンといえば、実はずいぶん前にクレジットカードの住所変更をし忘れて、さらに引っ越しのタイミングで家の電話も無くした結果、連絡が取れず、ブラックリストに載ったことがある。

5年前に家を買おうとして、ローンがおりないから不動産屋に教えてもらって信用調査会社のCICというところに行ったら、✖がついていたのだ。

一瞬で血の気が引いた。カード会社に聞いたら手数料の105円が未納金になってて、連絡がつかなかったから未納です、という話だった。

今すぐ払うからといったが、過去は消せないと。当時の不動産屋に相談したら「最後の✖のある月から5年で消えますのでそれまで諦めてください」と言われた。信用情報は5年で消える。

これはなかなか家族が震えた出来事だった。

ブラックリストだけにまさに黒歴史。

そんな中での今回のローン審査なので、まぁ無理だろうと思った。

固定金利を選択

あれから5年は経ったとはいえ、金額的にはかなりリスキーな話。半ばあきらめていたが、連絡が入る。

ローン通りました!

ウソみたいな話が先に進んでいく。

ローンが終われば諸々契約を進める。団信やあとは金利の選択である。

金利は悩んだ挙句、固定金利にした。

五輪後の不況は目に見えているし、土地も値下がりするだろう。

それは分かっている。問題は不況になった時に国がどういう手を打つのか分からない点にある。銀行がどうなるのか、国債はどうなるのか。

何も分からない。ただ確かなのは、現在は過去最低水準の金利で借りれるという事実である。

だからこそ、銀行は貸し手を探しており、我々のような存在でも借りられるのだ。

  • 金利は現在、最低水準
  • 五輪後どうなるか分からない

これだけが目に見えている判断材料だった。いまが混乱の前の過渡期なのは間違えない。ならばとりあえず固定にしておいて、不況が落ち着いてから大丈夫そうだったら、変動に借り換えをすればいい、という判断をした。

果たして正しいのかは分からない。担当者の方も「私は変動で借りましたが、固定に変える人も増えています。どちらが正解かはローンを払い終わるころまで分からない」といっていた。

その意見にうなづきながら、自分の読みを信じて固定金利にして、もろもろの契約が終わった。もう後には引けない。

家を建てる

2018年のGWに初めて店舗に行き、2ヵ月の打ち合わせを経て、7月上旬には設計の打ち合わせに入った。

これまでは最寄りの店舗に行っていたが、ここから渋谷の事務所に行くことになった。

これまではオープンハウスの社員と話していたが、ここで設計士が登場する。外部委託された、自分の事務所を持つ設計士の方だった。

まずは最初に提示されていた間取り図を見ながら「どうしましょう」と言われる。

てっきりその図面の通りの家が建つかと思ったら「ここから変えれますよ」とのこと。

将来は子ども2人に部屋を用意してあげたい、など様々な要望を伝える。

好き勝手いいながら「こうするとその分部屋が狭くなりますよ」「それは追加料金がかかります」など、意見を汲みつつアドバイスしてくれる。

いろいろと要望をいって、トイレの広さや、お風呂の広さなども変えていく。さらに収納も増やしていく。

気付いたら、最初と全く違う間取りになっていた。見積もりをとり、構造計算もしてもらう。

ようやく間取りを決めると、次は設備を決めていく。

お風呂、洗面台、キッチン、玄関のドア、壁紙、外の外壁などなど、いずれも複数の選択肢があり、オプションがそれ以外に3つぐらいある。

基本は標準から選ぶが、洗面所などこだわりの部分はオプションにしていく。オプションも無制限にどのメーカーでも選べるわけではなく、オプションとして用意されているものから選んでいく。

「オプションだけで700万使った人もいる」と聞いていたが、お金があればどんどん増やすだろう。

我が家は最初からオプション代をローンに組み込んでいたので、150万円ほどオプションを付けた。

正直この作業が一番楽しかった。セミオーダーとはいえ、自分で決められるのだ。

この感覚は、料理のバイキングに似ていると思う。並んだものから選ぶのだが、自由に選べるという感覚は嬉しいものだ。また組み合わせも豊富なので、同じ会社に依頼しても、結果として自分の色を出すことができる。

この楽しい作業が終わり、また契約に戻っていく。

仕上げの契約

どーんと借りて、どーんと土地を買って、またどーんと借りて、どーんと家を建てる。

半休して銀行にいって、処理をする。銀行の用紙はオープンハウスの人が全部書いてくれるので、名前と印鑑おして、振り込みをする。

銀行のおばちゃんが驚いた顔で「家を買うんですか?」と言っていた(銀行の人も驚くんだ)。

大金が右から左に流れていく。あとは家が建つのをまつ。11月に設計が終わって、2月末には建っていた。

きっとレゴみたいにパネルを組み立てるのだろう。現場を見に行ったが大工さんがトントンやったりはしてなかった。

そして引っ越しをした。新居ができたのだ。

まとめ

いま引っ越して1ヵ月が過ぎた。ウォークインクローゼット、ルーフバルコニー、言葉の響きはステキだけど、実際は狭い。

家が狭い。下見で見た時にはまじかとなった。でも、いざ住んでみたら快適だ。

結局、それはオープンハウスが狭い家をたくさん作って、そのノウハウがあるからだと思う。広さではなく、使い勝手が大事なんだと改めて思った。

ということで家を買った。狭いけど満足度は高い。耐久性とか、経年劣化とか、色々と心配はあるけど、そこは住み方次第だと思う。

賃貸と持ち家の論争はあるが、持ち家はやっぱり「自分の」だから、安心感とか満足度が違う。結局いままで「人の家」に住んでいたのだ。その辺は全く感覚が違う。

もう落書きがアートだなんて言わせない。絶対許さないと考え方が変わった。バンクシー?知らねぇよ、消しとけ!という気持ちになるのだ。

あと、周りの反応のひとつに、親の反応があるが、話をしていると時代が違うのだな、と実感する。

親の世代はバブル後とはいえ、まだ金利は4,5パーセントの時代。4000万かりて、利子で結局8000万返した時代なのだ。

いまは利子は数百万。親の時代の当たり前は変わっているのだ。なので、上の世代のいうことはあまりあてにならないと思う。

ちなみに僕は全部決めてから報告した。相談したら止められたかもしれないが、住宅ローンの1パーセントはケタが違う。そういう意味ではやはり時代が違うので、あまり参考にならないと思う。

ということで家を買うまでの流れをまとめてみた。この記事が誰かの役に立てば幸いです。

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