3月11日が来ると、震災の頃を思い出す。今日はあの時期に出合った音楽について書いてみようと思う。
うちの息子はいま7歳で、震災の年に生まれたので、彼を見ると月日の速さを感じることができる。だいぶ時間が経った。
最近ふと気づいたのが、ある年齢から 出来事の記憶のされ方が変わってきているのだ。
昔は小学校、中学校と過去に行くほど記憶が遠くに置かれている感じだったが、最近はそれが違ってきている。
例えば、花見のことを思い出す時、いくつかの記憶が出てくる。でも、それが去年の花見なのか、4年前の花見なのか、ぜんぜん分からない。記憶がごっちゃになっているのだ。
そんな感じではあるが、震災絡みだけは別で、ふいに思い出す。
それは当時のニュース映像みたいな直接的なものだけでなく、匂いであったり、風景であったり、色々だ。
例えば震災の後にガソリンが入っている丸い大きな建造物を見て「あれが地震でゴロゴロ転がったらやばいな」と思った記憶が、電車の窓からその丸い大きいのを見た時にふと思い出したりする。
震災は、そういう風に記憶の中でも変な場所に入っている気がする。そして、ふいに顔を出すのだ。
で、震災の後の記憶で一番間接的に覚い出すきっかけになっているのが、音楽と匂いだ。
音楽は小沢健二の「球体が奏でる音楽」というアルバムの「すぐに会えるかな?」をずっと聞いてた。
https://www.youtube.com/watch?v=zR7SgouB4R0
匂いは無印良品のアロマコーナーにあったシダーウッドの華やかではないけど、存在感のある匂いが思いだすきっかけになる。あとは、無印の店内でかかっていたBGM。その頃はアイリッシュケルトの民謡音楽がかかっていた。
たまたまオフィスの2軒となりが無印良品だったので、休憩中に何度も足を運び、その多幸感のある音をシダーウッドの匂いを嗅ぎながら聞いていた。
後にそのBGMがCDになっていることを知って買い求めた。
これがすごく良い。家があの頃の癒し空間、無印良品になるのだ。
家具のような音楽を作ったのはエリックサティだが、僕にとってこのBGM 4こそが家具のような音楽である。
アマゾンだと5100円とかになっているけど、無印のサイトで990円で売っている。 本当に聞き飽きない癒しの音楽なので「なんだか最近ささくれてるなぁ」という人におすすめ。
なぜ僕がこの音をあの時期に求めたのか、疲れた夜に聞くとそういうことがよく分かる。なんだか温泉のような、そんな音楽である。
https://www.muji.net/store/cmdty/detail/4550002840570?rec=buySameUser6