先日終了したドラマ「渋井直人の休日」のオープニングテーマを歌っていた、思い出野郎Aチーム。
かつて星野源が所属していたことで知られるレーベル、カクバリズムの注目株のアフロソウルファンクバンドである。
先日彼らのライブを見たらかなり凄かったので、その感想も含めて彼らの魅力を書いてみようと思う。
かっこいいファンクとダサい歌詞にしびれる
ファンクという音楽は、耳よりも体に直で届く。つまり、体が自然に動いてしまうのだ。
見た感じトランペットなどの金管楽器が多く「スカパラ」みたいだが、全員がジャージを着て、ヴォーカルの人が髭が生えた「銀シャリ」みたいな感じだからか、見た目はユーモラスだけど、演奏がカッコよい、というギャップ萌え感のあるバンド。
彼らの音楽の特徴は、思わず体が動くほど、かっこいいイントロと、ダサい歌詞とのギャップだと思う。同じフレーズの繰り返しが多いので歌詞はすぐ覚えてしまう。
アホな友達
楽しく暮らそう
すげぇ自由 朝まで
今夜ダンスには間に合う
フラットなフロア
など、まるで昔流行った「王様」みたいに曲はかっこいいのに、歌詞がダサい。でも耳に残るから、みんなで大声で「アホな友達!」「楽しく暮らそう!」って歌ってしまうのだ。
世の中には耳障りは良いけど、心に残らない歌詞というのがある。
彼らの曲はその逆で、歌詞で使わないワードで攻めてくる。しかも繰り返す。ダサい。でも、演奏かっこいい。気づいたら虜になっているのだ。
多摩美で結成される
彼らのプロフィールを見ると以下のようになっている。
2009年の夏、多摩美術大学にて結成された8人組のソウルバンド。
2015年、mabanuaプロデュースによる1stアルバム「WEEKEND SOUL BAND」をリリース。
2017年、カクバリズムに移籍し、2ndアルバム「夜のすべて」を、2018年には1stEP「楽しく暮らそう」をリリース。
NHKの子供番組「シャキーン!」への楽曲提供、ドラマ「デザイナー 渋井直人の休日」のオープニングテーマ担当や、メンバーそれぞれがDJ活動を行うなど、多岐にわたって精力的な活動をしている。
そう、センスが良い人が集まることで有名な多摩美の子なのだ。とてもそうは見えない揃いのジャージ姿。あとボーカルの高橋一さんはトークも上から目線ではなく、等身大で軽妙な感じが心地よい。みんなで盛り上がりましょう、みたいな感じだ。僕は「行くぜ、みんな」みたいなノリが苦手なので、特に好きなのかもしれない。
この先の思い出野郎Aチーム
果たして彼らはブレイクするのだろうか。
すでに2019年のフジロックへの出演は決まっている。ライブを見た時にあまりにみんなが盛り上がるので「フェスに合うタイプだな」と思ったが、すんなりというか、見ている人は見ているようで、きっちり選ばれている。
こういうトランペットが入るダサかっこいい感じのバンドは、いま空白地帯なので行ける気がする。
だが、Youtubeやサブスクリプションの影響で、売れなくても食べていける人たちが前よりも増えてきていると思う。
売れる=バカにばれる、だとすると玄人筋で人気ぐらいのポジションでもいいのかもしれない。
でも、これだけカッコいいバンドをみんなが知らないのは勿体ないと思う。
CD以外にアマゾンプライムミュージックにほとんどあるので、プライム会員の人はぜひ聞いてみてほしい。
「夜のすべて」というアルバムがおすすめです。
あと彼らがオープニング曲「STEP」を歌っている渋井直人の休日も、派手じゃないけど穏やかで幸せな気持ちになれるドラマです。