- 2016-03-23
天才の嫉妬を垣間見る~「手塚治虫―ロマン大宇宙」大下英治
浦沢直樹がEテレでやっている「漫勉」という番組がある。 さいとうたかお、東村アキコ、浅野いにおなど現役の漫画家が実際に漫画を描いているところをカメラで撮影して解説する、という番組だ。 その番組の中で、漫画家になったきっかけや誰に影響を受けたのかを浦沢さんと漫画家が話し合うところが必ずあり、そ […]
浦沢直樹がEテレでやっている「漫勉」という番組がある。 さいとうたかお、東村アキコ、浅野いにおなど現役の漫画家が実際に漫画を描いているところをカメラで撮影して解説する、という番組だ。 その番組の中で、漫画家になったきっかけや誰に影響を受けたのかを浦沢さんと漫画家が話し合うところが必ずあり、そ […]
立川談志という人が大好きである。 それが決定的になったのは、9.11の話題だった。 彼の『遺言大全集』という本があり、その付属のCDで談志が好き放題しゃべっている中に「9.11なんて、アメリカざまあみろだよ」という言葉があった。 どういう文脈にしろ、当時の風潮として言って […]
DIYといえば、みなさん、どんなイメージをもつだろう。ほとんどの人は木をトントンやる、というイメージだと思うが、実際は「Do It Yourself(自分でやってみる)」という意味であり、木だけじゃなくて、なんでも指すらしい。日本でも最近ブームになっている。 でも、僕はそのブームに乗れずにいた。だっ […]
成田駅で乗り換えて3駅先の下総神崎駅(しもうさこうざきえき)を目指す。 電車はまるで都心の朝のように混んでいる。 みんなが同じ駅一斉に降りる、今日は「発酵のまち こうざきの酒蔵まつり」の日だ。 2016年、人口6000人の小さな町に5万人が詰めかけるという噂 […]
「フリースタイルダンジョン」の影響で、日本のヒップホップが再び注目されている。 このタイミングで改めて紹介したラッパーがいる。 日本語ラップ界で唯一の天才と呼べる男、TWIGY(ツイギー)である。 このツイギーについて、彼を10代の頃から知るラッパーのECDは、アルバムのライナーノーツの中でこう紹介 […]
落語に「王道」というものがあるのなら、まさにその道をまっすぐ歩いたのが古今亭志ん朝です。 その芸風は一声でいうと「華やか」。声の調子、強弱の付け方、間の取り方、そのすべてがまさに落語の教科書のような存在でした。 古今亭志ん生の息子でありながら正統派落語を継承する 古今亭志ん朝は、古今亭志ん生という「 […]
外国人が日本に来て美味しいものを食べる旅行記。 そんなありふれたテーマなのに、この本はシリーズも含めて累計15万部と売れに売れて、NHKでアニメ化もされた。 この本のヒットの要因は、よくある日本絶賛本にとどまっておらず、日本人も気付いていなかった和食の滅びの姿を描いたからかもしれない。 フードライタ […]
ずっとヒップホップが好きだったけど、急に落語が好きになった。 共通点は「マイク1本」だった。 10代前半から日本のヒップホップにはまる 18歳の頃から日本のヒップホップを聞いていた。当時は日本語ラップの黎明期を経て、アンダーグラウンドのシーンが盛り上がり、ようやく花開いた頃だ。 &nb […]
芸能界を見まわした時、タモリほど謎の人物はいないと思う。 そもそも、この人は30歳を超えてデビューして、気付いたらビック3になっていた。その出自も謎に包まれている。それまで何をしていたのか、なぜサングラスをしているのか。 これから書こうとしているのは、タモリのデビューまでの軌跡と、タモリの独特な面白 […]
まだ20代始めの頃、書くことを仕事にしたいと考えていた。実際にはそこは諦めて似たような別の仕事に回ったのだが、その頃、よく考えていたのが「文体」についてだった。 例えば、↓今日は雨が降っている。雨が止んだら温かくなった。雨だ。急に止んだ。そして温かくなった。 上記の2つの文章は同じことを表してい […]
良い本の定義というのは色々あると思うが、僕の中では「読む前と読んだ後で世界が変わっている」というのがある。 それは司馬遼太郎の「竜馬がゆく」を読んだ中学校時代に初めて味わった感覚だが、それ以降も何度かそういう作品に出合った。 劇団ひとりのネタで「いつもの帰り道が少し違ってみえたんだ」って […]
立川談志が2011年に亡くなった。 誰が談志の跡を継ぐのか、という論争は生前からあったが、結局、あの器がぴったり収まる人物などいなかった。 立川談志の余計なことを言ってしまう遺伝子は「俺の息子」と呼んでいた爆笑問題の太田光に引き継がれ、懐の深さとカッコよさ、ダンディズムはビートたけしに引き継がれた。 […]
「友達なんていなくていいんだ」 世の中の常識と逆行するような、タモさんの言葉だが、丹念に辿っていくと、そこにはタモさん独自の哲学があることに気付く。 自分の頭で考えるタモリだからたどり着いた「目からウロコ」の珠玉の名言を紹介しよう。 「反省はしない」 自分が出ている番組は見ないというタモさん。彼のモ […]
落語に興味をもって色々と調べていると、ほとんどすべての人から絶賛されている人物がいる。 それが古今亭志ん生(ここんていしんしょう)だった。 調べてみると、まずそのキャラクターが素晴らしい。とにかく客に愛されていたのだ。 有名なエピソードだけ取り出すと・高座に酔っぱらってきて途中で寝ちゃったけど、客席 […]
かつてあれほど話題になったSMAPの解散騒動。 その後、ベッキーや清原のネタもあり、現在は完全に忘却の彼方に向かいつつある。 その一方で、タモリ好きとして気になる記事があった。 独立後のスマップの受け入れ先として、タモリが所属する田辺エージェンシーが浮上していた、というニュースだ。 ジャニーズの副社 […]
日本サッカー界において絶対的な存在である、本田と長友。 この二人に共通するのがどんなにメディアに叩かれても結局、結果を出してクラブからの絶大な信頼を得るところまで逆転する点にある。 一体どうやって解決したんだろうと、ナンバーのインタビューを読んでみたら、驚くべきことに二人とも同じ発想で危機を脱出して […]
かつて東京の花見スポットといえば、上野ではなく、王子の飛鳥山と小金井桜(こがねいざくら)だった。 飛鳥山は今も名所として知られているが、小金井桜の方の知名度はさっぱりである。 それもそのはずで、現在は排気ガスと桜の高齢化によって、すっかり廃れてしまい見る影もない。 しかし、かつて玉川上水に2000本 […]
戦前の大正15年から昭和4年まで、東京の街に「説教強盗」が現れた。 説教強盗とは、自分が泥棒に入っておきながら家の人に「戸締まりをしっかりしろ」「犬を飼え」などの説教をしたという。 居ない間に盗まれるのも嫌だけど、留まって怒られるのはもっと嫌だ。 この奇妙な事件が、後に偉大な作家を生むことになる。 […]
2000年に発行された、赤塚不二夫の対談集である。 しかし、これはただの対談集ではない。なぜなら面子がすごいのだ。 まずはタモリを筆頭に松本人志、ビートたけし、立川談志とまさにズラリという感じなのである。 特に注目なのが、弔辞でも話題となった、タモリと赤塚不二夫との関係がよく分かる、過去の新宿時代の […]
写真は眠っている10ヵ月のかわいい我が子である。 でも、僕はこれを見ると「ぐにに!」となってしまう。 それはなぜか?まつ毛が僕より長いからである。 なんだそんなことか、と思うかもしれないが、僕にとってはこれによって人生が変わったと思っている。 ひげのある人生。 ひげの無い人生。 どちらが幸せだった […]