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おすすめ

  • 2016-11-08

レコ大審査員が語る芸能史の裏側がそそる~「相倉久人にきく昭和歌謡史」

  「ノリコは、、、だから」と松田聖子が本番中に本名を言ってしまい、舌を出した。もう何年も芸能界にいるのに、本名なんて間違えるはずがない。   それに対して本書の中で相倉さんは「だから絶対に計算してるんですよ」と話したうえで、以下のように松田聖子というアイドルの本質を語った。 「 […]

  • 2016-11-08

そこにあるのは本好きの桃源郷だった~『昔日の客』

気が付くと、電車の中で本を読んでいる人を見かけなくなった。本好きとしてはさびしい限りだ。   減ってるな、とは思っていたが、今は逆に読んでいる人を見ると「お、本読んでる」と驚くほど、珍しい存在になってしまった。   もともと文章があって、それを人に読ませる時に便利だってことで紙が […]

  • 2016-11-07

『断片的なものの社会学』~「こんなはずじゃなかった」日常を生き続ける

  また名著に出合ってしまった。『断片的なものの社会学』だ。   2016年は「かなわない」、「相倉久人に聞く昭和歌謡史」も凄かったが、それに続いて、当たりの本だった。素晴らしい。   じゃあ、何が素晴らしいんだろう。これが上手く説明できない。それはタイトルの通り、この […]

  • 2016-10-19

童貞だから賢治の名作は生まれたのか?~「童貞としての宮沢賢治」

宮沢賢治の評伝を読んでいたら「生涯童貞だった」という一文が目についた。 ちょうどその前に『ルポ中年童貞』を読んで、童貞をこじらす危険性に震えていた後だったので、なんだか気になって調べてみたら『童貞としての宮沢賢治』という本が見つかった。 大学教授の押野武志さんという方が、童貞と創作について、かなりマ […]

  • 2016-09-05

2016年にもっとも衝撃を受けた本『かなわない』(植本一子)が凄すぎたので感想を書いてみる

  2015年にもっとも衝撃を受けた作品は『火花』であり、2016年は『かなわない』だった。火花に匹敵する作品だと思う。土俵が違うかもしれないけど、それぐらいすごい本だった。   たぶん、僕にはこの本の魅力を全部伝えるだけの文章力は無いと思う。とにかくオススメです、としか言いよう […]

  • 2016-07-08

「才能がない」の才能ってなんだ? 『トップアスリートの量産地に学ぶ 最高の人材を見出す技術』

  「才能」という言葉は、特別な響きをもつ。   才能がある、才能がない。その言葉によって、どれだけの人の人生が狂わされたか。   「センスが無い」という言葉をコーチに言われてバスケを辞めた僕にとって「才能」というものは、ずっと謎の存在であり、欲しくても手に入らないもの […]

  • 2016-06-24

DEV LARGE(デブラージ)のブログ、インスタに登場したお店38軒をリストアップしてみた

僕のエバーノートには大好きなタモさんが出没するお店がリストアップされている。でもそれは公表することはない。タモさんがいまも行っているのに、伝えるのは迷惑がかかるからだ。   同じようにデブラージの行っていたお店のリストも作っていたが、こちらについてはすでに故人となった以上、本人が今も行くか […]

  • 2016-05-13

村上春樹の名作短編を文鳥文庫で楽しむ

  表参道の駅から地上に出たところの交差点に「山陽堂」という本屋がある。表参道で120年続く老舗の本屋さんで、こんな本を見つけた。   この長くても16Pしかない「文鳥文庫」という存在は、先日「本フェス」で見かけたんだけど、そこにあったのは太宰の「メリイクリスマス」とか川端の作品 […]

  • 2016-05-08

江戸時代のGDPはアジアトップクラスだった~エドノミクス

さいきん地政学や経済などの視点で、日本の歴史を読みなおすという本が多く出版されている その中でも読みやすくて、発見が多かったのが「エドノミクス」だ。 江戸の大工の収入は大企業のサラリーマンレベルだった この本を読んで発見がいくつかあったのだが、その中でも面白かったのが、江戸の大工の給料の話。 本書に […]

  • 2016-05-06

年収3600万円なら明治政府に入りたい!~武士の会計簿

  この本の始まりは、作者が探していた資料を神田の古書店で購入する場面から始まる。   ずっと探していたその資料とは、猪山家という加賀藩の会計を担当していた一族の江戸時代から幕末維新を経て、明治まで続く家計簿だった。   それを丹念に見ていると一族の歴史がよくわかる。   高給取りでありながら、金遣 […]

  • 2016-04-07

欲しいものが無ければ自分で作ればいいんだ~「ヒップな生活革命」佐久間裕美子

なんだか最近コーヒーブームのほかに、クラフトビールやDIY、さらには「タイニーハウス」と呼ばれる小屋を作ったりと、明らかに何か新しい潮流が出てきている。 手作りブームかなと思うけど、そんな単純な話ではなさそうだ。 これを偶然と考えるかどうかは『ヒップな生活革命』を読んでいるのかで決まると思う。 それ […]

  • 2016-03-23

天才の嫉妬を垣間見る~「手塚治虫―ロマン大宇宙」大下英治

浦沢直樹がEテレでやっている「漫勉」という番組がある。   さいとうたかお、東村アキコ、浅野いにおなど現役の漫画家が実際に漫画を描いているところをカメラで撮影して解説する、という番組だ。   その番組の中で、漫画家になったきっかけや誰に影響を受けたのかを浦沢さんと漫画家が話し合うところが必ずあり、そ […]

  • 2016-03-22

立川談志は天才落語家・桂枝雀をどう見ていたのか?

立川談志という人が大好きである。 それが決定的になったのは、9.11の話題だった。   彼の『遺言大全集』という本があり、その付属のCDで談志が好き放題しゃべっている中に「9.11なんて、アメリカざまあみろだよ」という言葉があった。   どういう文脈にしろ、当時の風潮として言って […]

  • 2016-03-17

不器用でもできるDIY それが発酵だ

DIYといえば、みなさん、どんなイメージをもつだろう。ほとんどの人は木をトントンやる、というイメージだと思うが、実際は「Do It Yourself(自分でやってみる)」という意味であり、木だけじゃなくて、なんでも指すらしい。日本でも最近ブームになっている。 でも、僕はそのブームに乗れずにいた。だっ […]

  • 2016-03-14

実は和食の滅びの様子が描かれている~英国一家日本を食べる

外国人が日本に来て美味しいものを食べる旅行記。 そんなありふれたテーマなのに、この本はシリーズも含めて累計15万部と売れに売れて、NHKでアニメ化もされた。 この本のヒットの要因は、よくある日本絶賛本にとどまっておらず、日本人も気付いていなかった和食の滅びの姿を描いたからかもしれない。 フードライタ […]

  • 2016-03-10

村上春樹の語る良い文章の条件~翻訳夜話

まだ20代始めの頃、書くことを仕事にしたいと考えていた。実際にはそこは諦めて似たような別の仕事に回ったのだが、その頃、よく考えていたのが「文体」についてだった。 例えば、↓今日は雨が降っている。雨が止んだら温かくなった。雨だ。急に止んだ。そして温かくなった。   上記の2つの文章は同じことを表してい […]

  • 2016-03-09

日本人の発酵のバイブルとなる一冊~「発酵道」寺田 啓佐

  良い本の定義というのは色々あると思うが、僕の中では「読む前と読んだ後で世界が変わっている」というのがある。   それは司馬遼太郎の「竜馬がゆく」を読んだ中学校時代に初めて味わった感覚だが、それ以降も何度かそういう作品に出合った。   劇団ひとりのネタで「いつもの帰り道が少し違ってみえたんだ」って […]

  • 2016-03-02

日本史を裏で動かしたサンカの謎に迫る!~「サンカと説教強盗」

戦前の大正15年から昭和4年まで、東京の街に「説教強盗」が現れた。 説教強盗とは、自分が泥棒に入っておきながら家の人に「戸締まりをしっかりしろ」「犬を飼え」などの説教をしたという。 居ない間に盗まれるのも嫌だけど、留まって怒られるのはもっと嫌だ。 この奇妙な事件が、後に偉大な作家を生むことになる。 […]

  • 2016-03-02

タモリが赤塚不二夫を殴った!?~赤塚不二夫対談集 これでいいのだ。

2000年に発行された、赤塚不二夫の対談集である。 しかし、これはただの対談集ではない。なぜなら面子がすごいのだ。 まずはタモリを筆頭に松本人志、ビートたけし、立川談志とまさにズラリという感じなのである。 特に注目なのが、弔辞でも話題となった、タモリと赤塚不二夫との関係がよく分かる、過去の新宿時代の […]