• 2017-02-06

なぜ立川談志は喬太郎の落語を途中で止めさせたのか~『落語進化論』

さいきん久々に立川志らくの落語をテレビで見たら、見違えるほど良くなっていた。   若い頃の落語はなんだか忙しなくて、味が無い感じだったけど、すっかり変わっていた。   それ以来、彼が気になり、ツイッターをフォローし、そして何を考えているのか知りたくて手にとった本が『落語進化論』だ […]

  • 2017-01-09

「戦後最大のフィクサー」と呼ばれた児玉誉士夫は何をやったのか?

戦争中に「児玉機関」のトップとして活動し、戦争が終わった時に持っていた莫大な財産をもとに戦後の裏社会に君臨した男、児玉誉士夫(こだまよしお)。 田中角栄とともにロッキード事件で起訴された彼は、一体どんな人物なのだろうか。 村上春樹の『羊をめぐる冒険』で登場する「先生」は児玉がモデルだと言われている。 […]

  • 2016-12-09

日本ヒップホップ史上最高のラッパー・TOKONA-X(トコナX)の生涯とは?

トコナXが死んだみたいだ、という情報を聞いたのは2004年のことだった。 その死因について「売人からやばいものを掴まされたらしい」という、いかにもトコナらしい情報が飛び交う。 その後、所属事務所から「熱中症に伴う体力低下による心停止」という発表があった。 まだ26歳。デフジャムと契約し、まさにこれか […]

  • 2016-12-01

吉田篤弘を全部読んだ僕がおすすめする名作小説ベスト10

ストーリー展開の上手さと、ずっと物語の世界に浸りたくなるような、世界の立ち上げ方が魅力的な小説家・吉田 篤弘さん。 ゆっくりと飲むコーヒー、古本屋、町の洋食屋、ラジオから聞こえる女性の静かな声、お客が少ない映画館、自転車。これらは吉田作品によく登場するモチーフだ。 そんなモチーフの数々に思わず、反応 […]

  • 2016-11-25

1万円以下で揃う!疲れない革靴と最強中敷き(インソール)の組み合わせがおすすめ過ぎる!

仕事がスーツなので、革靴を履いている。   営業ではないが、打ち合わせで外出したり、昼休みにけっこう遠くまで散歩するので、1日かなり歩く方だ。そんな時、革靴だとすぐ疲れてしまう。   それを解決するために、ある時から靴はブランドや見た目よりも実用性で選ぶようになった。何足か歩きや […]

  • 2016-11-21

松本人志の最高傑作「VISUALBUM(ビジュアルバム)」の全作品解説と笑いの構造

  ダウンタウンの伝説的コント番組「ごっつええ感じ」が突然終わったのが、1997年のことだった。   放送予定だったものが、野球中継で延期になったことに激怒したダウンタウンがいきなり打ち切りを決めたのだ。最後に総集編が放送されたが、視聴者だった僕らにとって消化不良感は否めなかった […]

  • 2016-11-09

アマゾンプライムビデオの藤子不二雄作品は子どもと見るのにおすすめ!

僕はいまhulu、Netflix、アマゾンプライムビデオの3つのサービスを使っている。   とうぜん被っている作品もあるが、huluはウォーキングデッドのため、Netflixはオリジナル作品が素晴らしいので継続、そしてアマゾンプライムビデオは、4歳の息子のためだ。   今日は、こ […]

  • 2016-11-08

レコ大審査員が語る芸能史の裏側がそそる~「相倉久人にきく昭和歌謡史」

  「ノリコは、、、だから」と松田聖子が本番中に本名を言ってしまい、舌を出した。もう何年も芸能界にいるのに、本名なんて間違えるはずがない。   それに対して本書の中で相倉さんは「だから絶対に計算してるんですよ」と話したうえで、以下のように松田聖子というアイドルの本質を語った。 「 […]

  • 2016-11-08

そこにあるのは本好きの桃源郷だった~『昔日の客』

気が付くと、電車の中で本を読んでいる人を見かけなくなった。本好きとしてはさびしい限りだ。   減ってるな、とは思っていたが、今は逆に読んでいる人を見ると「お、本読んでる」と驚くほど、珍しい存在になってしまった。   もともと文章があって、それを人に読ませる時に便利だってことで紙が […]

  • 2016-11-07

『断片的なものの社会学』~「こんなはずじゃなかった」日常を生き続ける

  また名著に出合ってしまった。『断片的なものの社会学』だ。   2016年は「かなわない」、「相倉久人に聞く昭和歌謡史」も凄かったが、それに続いて、当たりの本だった。素晴らしい。   じゃあ、何が素晴らしいんだろう。これが上手く説明できない。それはタイトルの通り、この […]

  • 2016-10-25

相倉久人に聞いた素人時代のタモリの話

相倉久人(あいくらひさと)さんが亡くなったのを知ったのは、今年に入ってからだった。ネットで検索したら昨年亡くなっていて驚いてしまった。   相倉さんは僕の恩師である。いまは無くなってしまった専門学校の担任の先生だったのだ。   その学校は卒業制作で、生徒が書いた文章をまとめて冊子 […]

  • 2016-10-20

緒川たまきの隠れた名演技が見られる「3番テーブルの客」(脚本:三谷幸喜)は必見

ずっと見たかったドラマがある。フジテレビ深夜番組の黄金時代に放送されていた、「3番テーブルの客」という番組だ。   当時のフジテレビはかなり実験的なことをやっていたが、その中でも異色の作品がこちらである。   何が変わっていたのか、それは「同じ脚本を演出家が変わるとどうなるか?」 […]

  • 2016-10-19

童貞だから賢治の名作は生まれたのか?~「童貞としての宮沢賢治」

宮沢賢治の評伝を読んでいたら「生涯童貞だった」という一文が目についた。 ちょうどその前に『ルポ中年童貞』を読んで、童貞をこじらす危険性に震えていた後だったので、なんだか気になって調べてみたら『童貞としての宮沢賢治』という本が見つかった。 大学教授の押野武志さんという方が、童貞と創作について、かなりマ […]

  • 2016-10-14

あしたからフィクサー~戦後最大のフィクサー児玉誉士夫のすごさに学ぼう!

僕のライフワークのひとつに、児玉誉士夫研究がある。研究と言っても特別なことをするわけではなく、彼に関連する本をいっぱい読んでいるだけだ。   なぜ知りたいのか、それはフィクサーに憧れるからだ。   日本の戦後社会を裏から操った。なんてカッコイイんだろう。   例えば歴代 […]

  • 2016-09-30

子どもが喜ぶファミコンソフトはこれだ!

2016年9月30日にファミコンを30本収録した「ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ」の国内発売が発表になったので、それに合わせて、親子でファミコンをやることについての記事を書いてみようと思う(発売は11月10日で現在予約受付中)。   ちなみにこちらは、当時のファミコンの […]

  • 2016-09-05

2016年にもっとも衝撃を受けた本『かなわない』(植本一子)が凄すぎたので感想を書いてみる

  2015年にもっとも衝撃を受けた作品は『火花』であり、2016年は『かなわない』だった。火花に匹敵する作品だと思う。土俵が違うかもしれないけど、それぐらいすごい本だった。   たぶん、僕にはこの本の魅力を全部伝えるだけの文章力は無いと思う。とにかくオススメです、としか言いよう […]

  • 2016-08-15

Netflixの『ゲットダウン』を10倍楽しむために知っておきたいこと

Netflixで2016年8月12日から、70年代後半のヒップホップ黎明期を描いたオリジナルドラマ『ゲットダウン』の配信が始まった。   現在、全13話のうち6話が配信されている(残りは来年らしい)。   ヒップホップ好きにとっては資料的にも当時を知るうえでも素晴らしい内容だった […]

  • 2016-08-03

緒川たまき&山田稔明トーク&ライブレポート~世界中の猫が幸せでありますように~

  2016年7月30日に 『猫と五つ目の季節』という本の出版記念トーク&ライブが開催された。   対談したのは、著者のシンガーソングライター山田稔明さんと、女優の緒川たまきさんだった。   事前予約はすぐに満席となり、ギリギリ立ち見席で入れたので行ってきたが、その内容 […]

  • 2016-07-20

フリースタイルで人気のラッパーR-指定の原点をたどる

日本のヒップホップ界で、最注目人物の一人、R-指定。フリースタイルバトルのテレビ番組「フリースタイルダンジョン」で圧倒的な強さを発揮し、ジブラが「R先生」と呼ぶ( やや冗談の混じった口調ではあるが)ラッパーだ。 ラップバトルを解説する時のその丁寧な語り口からは知性がにじみ出る。だが、その一方でライブ […]

  • 2016-07-15

ドラマ「火花」があまりに素晴らしかったので全力で感想を書いてみる

  2015年、又吉の書いた小説『火花』が芥川賞を受賞すると、次に話題になったのはどこのテレビ局がドラマ化するのか、ということだった。   激しい争奪戦の末、ドラマ化の権利を手にしたのは、定額制動画配信サービスで日本に参入したばかりのNetflixだった。   外資の資 […]

  • 2016-07-08

「才能がない」の才能ってなんだ? 『トップアスリートの量産地に学ぶ 最高の人材を見出す技術』

  「才能」という言葉は、特別な響きをもつ。   才能がある、才能がない。その言葉によって、どれだけの人の人生が狂わされたか。   「センスが無い」という言葉をコーチに言われてバスケを辞めた僕にとって「才能」というものは、ずっと謎の存在であり、欲しくても手に入らないもの […]

  • 2016-07-06

デブラージの愛した欧風カレーを食す~ガヴィアル(神保町)

  神保町駅徒歩1分。古書店が並ぶ大通りの入口付近に、目的の店はあった。   入口の垂れ幕には「創業以来継ぎ足しのソースをベースに~」と書かれている。   カレーってそんなにずっと継ぎ足せるものなのか。一体どんな味だろう。   そんなことを考えながら階段を登り […]

  • 2016-06-24

DEV LARGE(デブラージ)のブログ、インスタに登場したお店38軒をリストアップしてみた

僕のエバーノートには大好きなタモさんが出没するお店がリストアップされている。でもそれは公表することはない。タモさんがいまも行っているのに、伝えるのは迷惑がかかるからだ。   同じようにデブラージの行っていたお店のリストも作っていたが、こちらについてはすでに故人となった以上、本人が今も行くか […]